桑原専慶流について


桑原専慶流は元禄時代(十七世紀)に桑原冨春軒仙溪が始めました。初代仙溪は立花の名人でしたが一面大変な知識人で、当時の植物学を存分に駆使して「立花時勢粧(りっかいまようすがた)」 (一六八八年) という八巻の本をつくりました。そこに記された花道論は現代のいけばなにも何かにつけて引用され、大きな影響を与えている名著です。それ以後、流祖の自由闊達な華やかさと理知的な気風を代々の家元が継承してきました。歴史とともに品格が高まり、優雅な表現を身につけて、すべてのいけばなの原型ともいうべき立花(りっか)、古典いけばなである生花(せいか)、現代いけばなと呼ばれる盛花(もりばな)、投入(なげいれ)を今に伝えています。